夜、布団に入ったのに、仕事のことが頭から離れなくて眠れない。「あのミス、明日どうしよう」と、ぐるぐる考えてしまう。そういう夜は、ありませんか。
瞑想を始めた人ほど、こんなふうに感じます。「感情は少し観察できるようになったのに、仕事のことになると、考えるか・考えないか、それしかできない」と。
先に、いちばんお伝えしたいことを書きます。それは、あなたの意志が弱いからでも、瞑想が下手だからでもありません。ただ、”自我”への対処のしかたを、ほんの少し工夫するだけで、驚くほど心が楽になります。瞑想がうまくいっていた、あの静かな状態——それと同じところに、仕事のことでも戻ってこられるのです。今日は、そのやり方をお話しします。
なぜ止まらないのか——自我は、そもそも止まらないもの
まず知っておいてほしいことがあります。”自我”というのは、そもそも止まらないものなんです。止まらない心の状態を、力ずくで止めようとすること自体が、できない。
「考えない」を頑張るほど、エネルギーが漏れる
なのに多くの人は、「考えないようにしよう」「無になろう」と、止めにいきます。でも、止まらないものを止めようとするから、そこでエネルギーが漏れて、かえって疲れてしまう。眠れない夜の正体は、これです。
では、どうするか。「あ、これは止まらないものなんだな」と、観察者の視点で学ぶんです。止めようとするのをやめて、一歩引いて眺める。すると、俯瞰した視点で見られて、結果的に、自我に振り回されなくなります。
自我とは、実は「他人」
ここで、大事な考え方を一つ。自我とは、実は「他人」なんです。生まれてからずっと受け取ってきた情報でできた、移ろっていくもの。だから、止まらなくて当たり前。握りしめず、眺めればいいのです。
とはいえ、頭の中だけで眺めるのは難しい。机の上が散らかったまま、その中から探し物をしているようなものだからです。そこで効くのが、”外に出す”こと。
私自身が、ここで抜けた道——頭のタスクを「外に出す」
私自身、昔は頭の中でずっと、いくつものタスクを並列で処理していました。あれもこれも、同時に。ある時、それが限界にきたんです。
そこで、「いま自分がタスク処理しているのを、観察者の視点で見よう」と思って、ためしに携帯のタスク管理アプリに、やることをバーッと書き出してみました。
そうしたら——脳が、すっと軽くなった。あの体感は、いまも忘れられません。
そこからは、瞑想のときと同じ観察者の視点で、仕事に対しても、エネルギーをロスせず、淡々と処理できるようになりました。つまり、「考える/考えない」の二択の外に出る、ということ。頭の中で握りしめるのをやめて、外に置いて眺める。これだけで、自我から距離が取れるのです。
今日からできる「外部化」のやり方
やり方は、とてもシンプルです。
①全部書き出す ②重要度に番号 ③中長期目標と行動目標を分ける
①殴り書きでいいので、やることを全部書き出す。 ノートでも、スマホのアプリでも、何でも構いません。
②書き出したものに、重要度の高い順に 1・2・3・4・5 と番号をふる。 そうすると、「何が重要で、何は重要じゃないか」が見えてきます。心が落ち着いて、生産性高く片づけられるようになります。
③コツが、もう一つ。「中長期の目標」と「今日やる行動」を、分けて外部化する。 中長期の目標はノートに、日々のタスクはタスクアプリに——というふうに、置き場所を分ける。ここが混ざると、また頭が重くなってしまうんですね。
これは、仕事の場での「自我の観察」
これは何をしているかというと、仕事の場での”自我の観察”そのものなんです。頭の中でぐるぐるやると、自我に飲まれる。けれど、外に出して番号をふると、一段高いところ——経営者のような視点から眺められて、「これとこれは一緒にやれるな」「まずここからだな」と、ふしぎと心が静まってきます。
最後に、一つだけ。突発的なことは、起きるものだと最初から思っておく。余裕をもって前倒しに準備しておくと、いざという時に、自我が暴走せずにすみます。
外部化で、こう変わっていきます
この”外部化”で、自我を観察できるようになると、どうなるか。
頭の中でずっともやもやして、エネルギーをロスしていた——それが、解消されます。夜、布団の中でぐるぐる考えることなく、眠れるようになる。今まで抱えていた問題や、心のざわつきが、すっと一掃されて、仕事も、そして瞑想も、楽しく実践できるようになります。
すると、エネルギーが湧いてくる。そのエネルギーを、今度は人を癒す力や、自分を癒す力に使っていける。自分の体調まで、元気にしていける。——ほんの少し、対処を工夫するだけで、ここまで変わっていくのです。
まとめ——考え事は、止めなくていい
今日お伝えしたのは、考え事は、止めようとしなくていい、ということ。自我は、そもそも止まらないもの。だから止めるのではなく、外に出して、眺めてあげる。
今夜、眠る前でいいです。気になっていることを、紙かスマホに、全部書き出して、番号をふってみてください。それだけで、頭がふっと軽くなる。その軽さが、”観察者の視点”の入り口です。
ただ、こうお伝えしても、観察者の視点を持つとか、自我を観察してエネルギーを減らす、という感覚は、正直、自分ひとりではなかなかつかみにくいと思います。焦らなくて大丈夫。まずは、頭の中を外に出すところから、始めてみてください。




