どうも、Sun気功ヒーリングスクールの坂本です。
気功を続けているけれど、「緩むのが大事」と言われるほどに、なかなか心を静めることが難しかったり、情動に振り回されてしまったり。自分の練習の効果が本当に出ているのかどうかも分からなくて、路頭に迷っている方もいらっしゃるんじゃないかなと思います。
今回は、その「気功で心が静まらない」という悩みについて、少し変わった角度からお話しします。読み終わるころには、心を静めるということが、これまでとは違って見えているかもしれません。
気功を続けても、なかなか心が静まらない
確かに気功をやる上で、リラックスして心を静めていくことは、とても大事です。緊張しているからこそ、気の巡りが悪くなってしまいますよね。ですから、いかに心を静められるか、情動を沈めていけるか、ポジティブな気持ちをいかに作り出していけるか。ここでつまずいている方が多いんじゃないかと思います。
では、どうすればいいのか。一番のポイントを先にお伝えすると、まずご自身で「心が静まる体験」を経験しに行ってみてください、ということです。なぜそれが答えになるのか、順を追ってお話ししていきますね。
そもそも「気」とは何か? 気の正体は「記憶」です
理由を説明する前に、まず前提をひとつ。そもそも我々のような生命体というのは、物理空間と情報空間の両方にまたがっている存在です。物理空間の影響も受けるけれど、情報空間——つまり精神的な空間の影響も受ける。そういう存在なわけですよね。
その上で、「気」とは何かというと、これは我々の記憶なんです。気は記憶だと捉えてみると、いろいろなことが分かると思うんですよ。
お母さんのおにぎりが、なぜおいしいのか
たとえば、なんでお母さんが作ったおにぎりがおいしいのか。お母さんの気がこもっているからですよね。そして「お母さんの気がこもっている」というのは、お母さんとの思い出や記憶、お母さんからいただいて支えてもらった愛情、お母さんとの関係性という記憶が、気として込められている、ということなんです。
ですから、「気」を記憶として認識していただくと、今回のポイントが分かりやすくなると思います。お母さんのおにぎりがおいしい、その理由は気がこもっているから。そしてその気の正体は、あなたがお母さんと築いた記憶で成り立っている。
気功とは、記憶の引き出しをコントロールできるようになること
ということは、気功とは、その記憶の引き出しを上手にコントロールできるようになることなんですね。
伝統的には、気功は体を動かしたり、呼吸を調整したり、瞑想したりを通して、特定の疾病に効かせるというより、体全体の機能を上げて自然治癒力を高める方法として伝わってきました。でも、それだと現代人にはちょっと分かりにくい。だからこそ、「気の正体は、心の空間=情報空間にある記憶だ」と捉えられれば、話がすっと通るんです。
心が静まらない、本当の理由
ここまで来ると、冒頭の悩みの答えが見えてきます。
心を静めたい時は、情報空間の中にある「静まった記憶」という気を、取り出せばいいわけですよね。それが上手にできたら、気功ができているということ。実際に体がリラックスしたり、緊張が解けたり、心地よくなったり、体で感じるわけですから、それができればいいわけです。
「静まった記憶」の臨場感が薄いと、座禅もプルプル気功も効かない
ところが、その情報空間の中——あなたの過去の記憶の中に、心が静まった経験の素材が乏しいと、座禅をしても、プルプル気功をやっても、リラクゼーションをやっても、なかなか心が沈められない、となってしまう。
なぜかというと、根本原因は、情報空間にある「心が静まった経験」に対して、臨場感が薄いからなんです。ということは、その臨場感を高めるために、心が静まる経験を実際にしに行けばいい、ということなんですね。そうすると気功やプルプル体操をやる時に、その経験を思い出しやすくなります。
心が静まらないのは、あなたのがんばり方が足りないからではありません。引き出す元になる「静まった記憶」のストックが、まだ少しだけ足りていないだけなんです。
だから、心が静まる経験を「採りに行く」
気功の達人という人たちは、日常生活の中で、楽しい・嬉しい・心地いい、そういう心が静まる経験を、無意識のうちに、なるべく採りに行っています。
一番おすすめは、自然の中に身を置くこと
一番おすすめは、自然の環境の中に身を置くという経験です。気功はもともと自然の中でやっていましたから。
たとえば中国では、日本とは違って、お墓がすごく綺麗な公園のようになっていて、「お墓に眠っているのはみんな偉い人だから」ということで、お墓に行くと心が静まるんですね。ただ日本人は、階段とか幽霊とか、そういうイメージの記憶が情報空間にあるので、なかなか緩めない。だからお墓でやる必要はありません。自然豊かな環境の中で、鼻から空気を吸うと、木の香りや森の香りがして、すごく心が落ち着いた——そういう経験や記憶が、みなさんにもあると思います。
日常生活で忙しくしていると、そういう経験よりも、日々の忙しさや慌ただしさの記憶のほうが、情報空間の中で臨場感が上がってしまう。すると、その記憶が壁になって、「静まる」という記憶にたどり着きにくくなる。臨場感が湧きにくいんですね。だから気功をやる前に、心が静まるような自然の環境に身を置いてみるのが、一番やりやすいと思います。
5分・10分でいい。まずは静まる経験をストックする
近くの公園でもいいですし、キャンプに行ける人は、テントを張って焚き火でもしたら、それだけで心が落ち着くでしょう。それだけでも気功になりますよね。
そんなに時間が取れなくても大丈夫です。5分でも10分でもいいので、休憩時間にちょっと公園を歩く。自然環境の画像を見る。今ならサブスクのサービスで自然音を流すこともできますから、休憩中にそれを流して、心を静める体験を、まずはストックしていく。どんどんストックしていってください。
本当のゴールは、コンクリートの中でも「生身で」緩めること
ただ、ここで一つ大事なことをお伝えしておきます。
本来、気功というのは、道具を使わず、生身のまま、焚き火をして自然の中にいるような「心が静まった意識状態」を、自分で自己変容を起こして作り出せるか。ここが、気功がうまいか下手か、達人か初心者かの分かれ目になります。
できれば、自然環境じゃないコンクリートの中でも、すごく心が静まった意識状態を作りたいわけですよね。仕事をしていて心を静めなきゃいけない、情動を沈めなきゃいけない、という時にも、しっかりマインドをコントロールできる状態になりたい。そのための土台として、まず自然の中で経験をストックしておく、というわけです。
逆腹式呼吸でアンカリングする——記憶を引き出すトリガー
そうやって経験をストックしたら、今度は実際に気功やプルプル気功をやる時に、それを思い出してみてください。思い出すコツはいろいろありますが、アンカリングしている記憶を引き出すために、トリガーというものがあるんですね。
よくおすすめしているのは、たとえば公園や自然環境に行くという経験をしたら、そこで逆腹式呼吸という呼吸法をやること。この呼吸をやっておくと、それがトリガーになって、その場の記憶と結びつくんです。呼吸法と、体験した記憶を、結びつける作業をやってみてください。
そうすると、家に帰って、コンクリートの中のような落ち着かない環境でも、逆腹式呼吸をやれば、そこに記憶が結びついて、アンカリングされた記憶が、体感として引き出しやすくなります。
逆腹式呼吸のやり方(吸う4秒・吐く8秒・ワンテンポの間)
具体的な目安もお伝えしておきます。
- 息を吸うときは、4秒ぐらいかけてゆっくり吸う。
- 息を吐くときは、腹圧を少し高めながら、8秒ぐらいを目安に吐いていく。
- コツは「間(ま)」です。吸ったら、吐く前に0.5〜1秒ほど息を止めて、ワンテンポ置く。そのまま吐く。吐き切ったら、また0.5〜1秒ほど止めて、ワンテンポ置いてから、また吸う。
姿勢は、椅子に腰かけたまま、座ったままで大丈夫です。立ったままより、落ち着いて座ったままのほうが、初心者の方はやりやすいと思います。
初心者がつまずくポイント(お腹をへこませようとしない)
うまくいきにくい人に一番多いのが、無理やりお腹をへこませて吸おうとしてしまうこと。そうすると、背中や肩に力が入ってしまうんですね。
お腹をへこませることを、意識しすぎなくていいです。膨らみもしないし、凹みもしないぐらいの状態で吸えれば十分。コツは、腰や背中に空気を入れるような感じで吸うこと。だからお腹の動きには意識を向けず、息を吐くときに腹圧を少し高めながら吐いて、首・肩を緩めていくようにすると、上手にできると思います。緩んでくると唾液も出てくるので、それも一つの目安としておすすめです。
アンカーが薄れてきたら——トリガーを増やす
これを何度も何度もやることで、脳のシナプスが形成されていって、緩みやすくなっていきます。
もし、一度結びつけたアンカーが薄れてきたなと感じたら、二つの方法があります。一つは、もう一度その記憶(体験)を採りに行くこと。もう一つは、トリガーを複数持つこと。逆腹式呼吸でもいいですし、ブレスレットをしていれば、それを触る手の感触でもいい。一つのアンカー(記憶)に対して、トリガーを二つ・三つと付け加えると、日常生活の中でいつでも緩めるように、無意識が働きやすくなります。
気は、記憶でも食べ物でも補える
最後に、少し補足を。
「気が記憶なら、食べ物の気はどうなるの?」と思う方もいるかもしれません。私の中では、こう両立しています。記憶は、目に見えない情報を、エネルギーの一つとして捉えればいい。気は、物質にも情報空間にも、どちらにも存在します。だから食べ物でエネルギー(気)を補うこともできるし、記憶でエネルギー(気)を補うこともできる。どちらも「気を補う」ことに変わりはないんですね。
まとめ|いつでもどこでも、緩められる自分へ
心が静まらないときは、無理に静めようとするより、まず「静まる経験」を採りに行く。自然の中に身を置いて、5分でも10分でもいいから、心が落ち着く時間をストックしていく。そして、それを逆腹式呼吸というトリガーでアンカリングしておく。
これを繰り返していくと、コンクリートの部屋の中でも、忙しい仕事の合間でも、すっと緩められるようになっていきます。ぜひこれで、気功を通して情動を沈めて、いつでもどこでも緩められる人になっていただければと思います。
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