あなたは、気功を実践し始めてどのくらい経ちますか?
これから気功の実践を始めようというあなたも、まだ始めて間もないというあなたも、気功の実践によって長期的にどのような経過をたどり、どのような効果や気づきが得られるかを知っておきたいと思いませんか?
目的地を目指すとき、地図を広げて今自分がどこにいるのかがわかっていると、安心しますし、これからどういう経路をたどっていくのかを確認することができます。
とはいうものの、気功の実践で得られる気づきや効果、経過の辿り方は人それぞれですので、あくまでも参考程度にとどめてくださいね。今回の記事では私の実体験をもとに書いていきたいと思います。期間は三ヶ月〜一年ぐらいです。
まずはじめに気功の実践によって気づいたことや日々感じてきたことを、その次に実際に症状がどのように治癒していったかまでご紹介したいと思います。でもこの気づきや日々感じることと症状が改善していく現象は、ほぼ同時進行で進んでいきます。記事の構成上、別々にしていますが、そこをご理解のうえ読んでいただければと思います。
気功の実践での気づき
其の一 物事に敏感になる
気功の実践では徹底的に緩むことから始めます。すると自然と体の感覚に意識がいくようになります。体の感覚に意識がいくようになると、意識そのものが明瞭になっていきます。
それから五感に入る情報量も非常に多くなってきます。聴覚が敏感になってくると、無音の音まで認識に上がってきます。耳の中の音というか、シーーンという音が大きい音としてはっきり聞こえるようになりました。これは耳鳴りではなく、感覚が鋭くなって聞こえる音のことです。
また、人混みの中にいると、人の意識の流れや動きみたいなものも感じ取れるようになってきます。武術でいうところの、相手の動きが瞬時にわかる感覚です。
このようにあらゆる感覚に敏感になってくると、逆にストレスが多くなるのではないか?と思うかもしれません。確かに最初は敏感になりすぎてナーバスにもなりますが、気功の実践を続けていれば自然と慣れてきますし、どれぐらい感覚を敏感にさせるかをコントロールすることもできるようになりますのでご安心を。
其の二 心が明るい状態だと症状を気にしなくなる
気功の実践に慣れてくると、すぐにリラックス状態に入ることが容易になってきます。このリラックス状態がどうやら脳内麻薬(鎮痛物質)を自製するするようです。
やはり、健康を保つ上では精神衛生状態をいかに良好に保つかが重要です。気功も機嫌がよろしくない時には無理に行う必要はありません。「さぁ、今日はやってみようか」という気持ちになった時に始めるのがオススメです。慣れてくるとしっかりとやる気ホルモンのドーパミンが大量に出るようになるので、いつでも元気で明るい精神衛生状態を保つことができるようになってきます。
一度ドーパミン経路を自分で作ってしまえばリッラクス状態は簡単に作り出せることができ、いつも明るい心でニコニコして暮らすことができます。すぐにとは言いませんが、実践していれば確実に簡単に得ることのできる境地であるということをお約束いたします。
其の三 日々の平凡な日課に喜びを感じる
気功の実践で心身を健康に保ち、ある程度コントロールすることができるようになってくると、世の中の幸せも不幸も自らが作り出しているということに気づいてきます。
体調がすぐれない時はやはり情動に支配されて世界を穿った見方で捉えがちです。誤った認識が自らを不幸に陥れてしまっているのです。
一方体調が良く、気分も良い時は、寛容な心を保つことができ、問題が起きても冷静に笑って解決できるようになってきます。怒りの感情や不安の感情のままではなかなかありのままの事実を認識することは難しいのです。
となってくると、世界は自分の心という鏡に映し出された現象であることに気づいてきます。不平不満や他人や世間の出来事を批判するのではなく、常に自分を見つめ続けることが大切ではないかと気づくようになります。
日々の退屈な毎日や平凡な日課をつまらなくしているのも自分ですから、面白く楽しいものにしてしまえば、喜びを自らが作り出しながら日々の生活を営むことができます。
他人や世界を害せず、自己を自らの意思で律する
どんなに理不尽な世の中であっても、我々は理不尽でないように心を守りましょう。
貪り狂う世の中であっても、我々は貪らないように心を守りましょう。
憎しみ合う社会の中で、我々は慈しむように心を守りましょう。
自分の能力ではどうにも出来ないほど絶望的な世界になっても、希望の心で明るく暮らすように心を守りましょう。
要するに「どんな時でも幸福に生きるんだぞ!」と心を誰にも洗脳されないように生きるということです。ネガティブな感情が入る余地がないほどに心を常に明るく灯すのです。雨はいつか必ず降るし、地震もいつかは起きるし、しまいにはどこからかミサイルが飛んでくるかもしれません。そんなことは気にせず、いつ死んでもいいように今この瞬間を幸せに生きるのです。
あなたには、今という瞬間の積み重ねしかありません。過去がどうであるとか、未来どうなるとかは、今という瞬間にあなた自身が決めることです。ですので今という瞬間しか幸せになるタイミングはありません。未来に対して目指したいゴールを決めるのも今しかありません。
あなたは生まれながらにしてすでに幸せなのです。不幸である、と勝手に社会的通念や社会の価値観という尺度で決めてしまっているだけなのです。あなたが今幸せなんだ、と決めてしまえばいいのです。
あるのは今という瞬間瞬間の幸せな心の積み重ねしかありません。日々の生活もどのように生きるかはあなた次第なのです。
気功の実践での治癒過程
ここからは病気や症状の経過に絞ってその治癒過程を紹介していきます。私の場合は、本格的に気功に取り組むまでは、首肩のコリや頭痛をはじめ、体重が60キロから75キロまで増量してしまっていて腰痛持ちでした。
学生時代は大丈夫だったのですが、社会に出てフリーター生活をするようになって心身の健康状態は良くなかったのです。それでも約三ヶ月の本格的な気功の実践により、体重も一時期58キロまで落ちて60キロに戻り、腰痛はまるっきり消えてしまいました。
頭痛はひどい時には群発頭痛と診断されたこともありました。群発頭痛は医学の世界では原因不明と言われています。偏頭痛で処方される薬が処方されていましたが、気功の実践により薬は必要なくなりました。
群発頭痛の原因は、脳への酸素不足と過度のストレスであり、それを取り払い精神衛生状態を良好に保つことによって治癒が可能であると、実感することができました。頭痛が改善することで、首肩こりの頻度も減ってきました。
前置きが長くなりましたが、その治癒過程を述べていきたいと思います。
其の一 気の存在をはっきり実感し始める
独学で気功を実践していたときは、なんとなく気を実感してはいましたが、強烈な臨場感で感じたことはほとんどありませんでした。
本格的に気功師になるために実践を開始してからは、はっきりと気の存在を実感するようになってきました。
私の場合は、優秀な医療気功ができる人たちと同じ空間を共有しながら気功の実践ができる環境にいましたので、圧倒的に気の存在を実感することができました。養生気功を行う場合は、気功師と一緒に行う方法が一番ベストだと思います。あとは実際に気功療術を受けてみることをオススメします。
本格的な気功を始めて間もない頃に、気功師の先輩の練習台として気功療術を受けたときの強い印象は今でも体感として残っています。
何気なく日常の話をしながらベッドに横たわり気を受けていたのですが、ものの数分で心臓のやや左側が温かいというよりは熱い感じがして驚きました。なんだか気持ちよくなって心のコリもほぐれたような感覚でした。
気を受けるという体験があると、その日からの養生気功での気の実感具合は、一段と臨場感あるものに変化していきます。雪だるまが山頂からどんどん勢いよく大きくなりながら転がるように、日に日に気の実感とパワーがどんどん大きくなっていきます。
其の二 身体中に気が巡ることに楽しさを感じる
私自身の気の巡りが良くなればよくなる程、気功療術を受ける時の効果もまた一段と上がるようになり、気の体感もはっきりとしたものになってきました。
またいつものように気功師の先輩の練習台になって施術を受けていると、始めの方は額のあたりがムズムズして、なかなか力が抜けない感じがあったのですが、ふとした瞬間に気持ち良い感覚に変わり、全身に気がグングンと巡り始めるようになりました。手足の末端までしっかりと気が巡って唸るような感覚になり、20分ほど経った時には、体全体が軽くなりすぎて、宙に浮いているのではないか?と思うほど心も体も無重力になったのを覚えています。
内側の世界と外側の世界の境界線が徐々に曖昧になっていき、全ては同じものであるかのような感覚になりました。自我がどんどん薄れていき、何者にも執われない、執われる必要などないんだと感じました。
其の三 あらゆるものに感謝と尊敬の念を持つようになる
物事に対する認識の仕方や考え方が、なんの抵抗もなく自然に変わっていきました。今この瞬間に存在することへの喜びと感謝の気持ちや、周囲に対する温かい尊敬の念などが生まれるようになります。
病気や症状に対しての効果というよりも、心や生き方そのものの変化が非常に大きかったです。その時に気づいたことがあります。
其の四 あれ?気づいたら症状や不安感がなくなっている
気功の実践や気を体感することによって、とても楽な生き方ができるようになってくると、気づいた時には気になっていた症状が全く無い状態になります。
病気や症状を改善したい、というところにフォーカスするのではなく、心を軽くして幸せな気持ちであろう、という事にフォーカスしていくことで、自然と体の症状も改善していきます。
がんの患者さんをはじめ、多くの方が「死にたくない」「病気になりたくない」ということにフォーカスしていると思います。そうではなく「生きるんだ」「幸せな人生を歩むんだ」ということにフォーカスする方が圧倒的に治癒していきます。
人間は物質と精神の両方に足を突っ込んでいるような存在です。特に人間は精神活動の方が多いので、精神衛生状態をいかに良好に保つかが健康の鍵になってきます。
気功の実践では、「脳と心と身体」は本質的には同じものであるということを体感して理解することができます。理解するだけでなく、自由自在にマインドを操作して人生をより良くするためのツールとしても気功は使えます。
あなたもこの優秀なツールを利用して、病気を克服し、健康への確信を体得していただきたいと思います。そしてその先には幸せな人生と、より良い世界を築く担い手として活躍できる未来があります。
まずは体感することから始めよう
気功は考えたり、勉強したり知識を習得するのではなく、感じる世界です。気功に関していくら勉強しても、実践しない限り身につくことはありません。頭を使ってお勉強をするのは気功を実践する前に終わらせておきます。
いざ実践となるときは頭はなるべく空っぽにした方がいいです。また気功は習得するものではなく、本来備わっている能力を思い出す作業です。
まずは体感することです。そして気楽に実践していくことで勝手に上達して、誰でも気功師になれます。