気功という荒唐無稽な生命現象に対して、あなたは懐疑的かもしれません。
しかし現代では気功は医療の一部として扱われているというのが世界の現状です。アメリカ国立衛生研究所(NIH)では、気功治療をいかに保険点数に入れていこうかというディスカッションまでされています。それは、気功が効くということが研究の結果わかってきたからです。
実際にアメリカでは、西洋的なアプローチだけではなく、代替療法を組み合わせて取り入れることにより、癌患者さんが減ってきています。日本では死亡の原因の一位に悪性新生物がきていますが、アメリカは2位に下がってきているのです。
日本では統合医療学会を中心に代替療法を医療の中に取り入れていこうという運動が盛んに行われています。現役の医療従事者は西洋医学だけではどうにもならないことを十分に理解しています。
そんな中、気功などの代替療法が注目を集めているというわけです。
今回の記事では、気について、また気功について一体どういうものなのかを徹底的に解説してみたいと思います。気功に少しでも興味を持っていただき、治療法の一つとして頭の中に置いておいてもらえれば幸いです。
気とは何なのか?
気とは、生命エネルギーのことです。生命の素となる根本的なものなのです。あなたの生命としての設計図は、分子生物学の発達のおかげで、DNAという遺伝子配列の情報によって指示されていることがわかってきました。気の世界では、これを先天の気と言います。
先祖や親から受け継いできたものを先天の気という
生命の歴史は約40億年以上あるようです。その間ずっと受け継がれてきた情報があなたという存在を生み出しているのです。あなたの先祖を辿っていくと、アメーバかもしれません。アフリカにいたお猿さんかもしれません。あるいは神話に出てくるような神々なのかもしれません。
何れにしても、両親から生まれたあなたは先天の気を授かって、そのエネルギーが尽きるまで生きていくのです。
しかし、この先天の気だけでは生命は維持できません。栄養をとって、呼吸をして生きているわけです。もともと持っているポテンシャルエネルギーが先天の気としたら、生まれてからその後、生命を維持するために使っていく、そして取り入れていくエネルギーを後天の気と言います。
飲食物や呼吸によって得られるものを後天の気という
気の基本は生命エネルギーですが、太陽系に住む我々が一番大事にしているのは太陽です。太陽がなければ地球上の生命は絶滅してしまうでしょう。
つまり、太陽エネルギーこそが生命エネルギーなのです。
植物は光合成によって生命エネルギーを作り出しています。太陽光を浴びて、酸素と有機化合物を作り出します。生理学ではATP(アデノシン三リン酸)として知られていますが、植物ではリボソームと言って、活動エネルギーをATPという形で蓄えておくのです。
これを食物連鎖の頂点にたつ人類が食物として摂取することで生命エネルギーを蓄え、間接的に太陽エネルギーを蓄えているのです。
日光浴をしたり朝日を浴びることで体も心も元気になる感覚を味わったことはありませんか?それは太陽エネルギーのおかげなのです。生命は後天の気を得ることで生命を維持しています。
精神空間に存在する秘伝の気
さて、ここからが気の本題です。
先天の気や後天の気は、四次元空間(三次元空間プラス時間次元)に存在する気のことです。40億年というとてつもない年月をへて受け継がれてきた先天の気と、実際に目で見て舌で味わって触れることのできる物理的現実世界における後天の気を取り入れながら生命を維持しています。
ところが、認知科学や最新脳科学、あるいは現代物理学の世界で言われていることがあります。まだ仮説の段階に過ぎませんが、「おそらくこの世界は四次元空間ではないのではないか?」ということなのです。
しかし、少し考えてみれば、この世界が四次元空間ではないということは実に簡単に理解できる事なのです。
なぜ小説を読んで涙を流すのか?
馬の耳に念仏という言葉はとても有名ですね。人間は言語を扱います。言葉は実在はしていませんが、存在はしています。つまり概念として存在していますが、物理的な四次元空間には存在していないという事です。
言語は人間の脳内、つまり精神空間に存在しています。どうやら人間は、大脳が発達したおかげで、物理空間だけでなく精神空間にまでリアリティーを持つようになったということが、認知科学でわかってきたのです。
あなたの物理的現実世界というのは、一度脳内で情報処理され、捏造された情報を見せられているのです。
小説の世界でいうと、文字なっている言語を、あなたが経験したり感じたりした過去の記憶をもとに脳内で解釈して理解しているわけです。小説の世界にどっぷり使っているときは、お尻とソファーが接触している感覚がないかもしれません。あなたのリアリティーは小説の言語空間にあるからです。その臨場感が物理的現実世界よりも上がった時に、身体現象にまで影響を及ぼし、涙を流すのです。
つまり人類は、物理空間と精神空間(情報空間)を行き来している存在と言えるのです。
言葉だけでなく、気も全く同じです。言葉は言語の世界ですが、気は非言語の世界です。言葉は言語情報、気は非言語情報なのです。
先天の気と後天の気について少し思い出してください。科学が発達した現代においては、エネルギーはATPであるとか、太陽エネルギーがあらゆる物質に変換されて最終的にエネルギーとして活用できるということが理解できます。昔の人はそんなことを知らなくても太陽エネルギーの恩恵を受けていますし、現代においても科学の知識がない人も同様です。
もともとあった非言語情報である太陽エネルギーを科学で概念化し、言語化しているだけのことです。もともと非言語情報という気で満たされたこの世界を、あらゆる視点で言語化したからそれが言語情報となるだけです。
何が言いたいかと言いますと、この世界は、言語、非言語問わず、情報で成り立っているということです。気は情報のことなのです。
脳科学者のは脳という言語で記述する、心理学者は心という言語で記述する
生命現象を説明するときは、脳科学者の視点で記述するときは脳内の情報処理過程を説明していきます。心理学者は心理学用語を使って生命の精神的な活動を説明します。気功師は気によって説明していきます。
ただそれだけのことで、この三者がさしているものは同じもの指しています。生命現象ということを言葉を使って説明しているだけなのです。
昔の科学者は二元論的にこの世界を捉えていました。つまり脳が心を生み出すと考え、脳と心がどのようにつながっているのかをひたすら研究してきたのです。ところが現代ではそのようには考えません。
脳と心は同じものなのです。
この世界は物理空間と情報空間で成り立っており、それが連続的に存在していると考えられています。簡単にいうと、生命は心の世界と物質の世界の両方にまたがっている存在なのです。そのように考えないと生命現象は説明できないのです。
アクターバーグ博士によるヒーラーに関する研究でわかること
アクターバーグ博士というのは、心と体について研究していた生理学者で、ハワイにいる伝統的なヒーラーによる遠隔ヒーリングにとても強い関心をもち、2005年にある研究を行いました。
ハワイのヒーラーの方達は、様々なヒーリング手法について説明していますが、それは祈ったり、エネルギーの良い念を送ったり、患者さんが最良の状態になるように考えたり願ったりするのです。これを遠く離れた人に念を送るということで、英語ではditant intentionality(遠隔想念:DI)と読んでいます。
患者さんはヒーラーと隔離された場所で、脳活性をみるための画像診断を受けました。この状態で、ヒーラーは2分間隔でランダムにDIを行い、患者さんはいつDIが行われているかわからない、予測することができない環境で実験が行われました。
しかし、患者さんの脳波はしっかりと予測し、いつDIが行われているか脳がしっかりと情報をキャッチしていました。
十一例やったうちの十例で、送念中と非送念中とで有意な差が見られました。送念中には、患者さんの脳内の特定の領域が明るく光り、代謝活性していることがわかりました。この現象は非送念中には見られなかったのです。
アクターバーグ博士の研究が示していることは、この世界は物理的に隔てられた世界かと思っていたが、そうではないということです。四次元的な時空を超えて「あなた」と「私」はつながっているということなのです。
あなたが存在しているのは物理空間ではありますが、その本質は情報空間にまたがって超次元的な空間、多次元的な空間、いわゆる物理制約を超えた空間にも同時に存在していることが証明されたということなのです。
荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、客観的事実として存在している話なのです。物理空間だけでなく、情報空間にも気やエネルギーが存在しています。
気功とは何か?
あなたは疑問に思われているかもしれません。「この世界が四次元空間ではないということはわかったけど、実際にどうやって相手に気を伝えるのか?」
カウンセリングなどを通して、言葉で語りかけ、あるいは傾聴しながら相手の心を癒す、そうやって良い気を伝えるということは理解できるかと思います。でも遠く離れた人に同じような作用を働きかけすることができるというのは、にわかに信じがたいのではないでしょうか。
私自身も実際に気功を学ぼうと決意した段階であってもそう思っていました。ところが実際に医療気功を受けてみると、気は一瞬で時空を超えて伝わるんだ、ということが確信へと変わりました。なので実際に気功を受けてみるというのが理解するには一番早いとは思います。そもそも気功は体感して実践することなのですからね。
そうはいっても気功ってなんなの?という疑問を解消したいあなたのために、私なりに気功について理解していただけるように書いていきたいと思います。
気功は道教のお坊さんのものである
「気功」という言葉は、新しい概念で、中国共産党によって作られた言葉です。もともとは紀元前数千年前の古代中国において残されていた文献には「布気治療」と記されてあったもののことを指しています。
これは道教という星信仰の宗教のお坊さんたちの修行体系のことなのです。
「あれ?でも中国共産党って文化大革命で宗教家を根絶やしにしたのでは?」と思っている方がいれば素晴らしいご指摘です。その通りです。中国は一度気功を含めた中国の文化を根絶やしにしようと試みます。中西医結合の名の下に、科学的でないものを根絶やしにしたので、宗教もその被害を被っています。
中国共産党は宗教的なものを一切排除し、新しく現代科学的に「気功」を再編集したものが、今日古典気功として伝わっているものです。
誤解を恐れずに言えば、本物の気功は道教のお坊さんが行なっていたもので、中国共産党が作った気功は偽物です。そして道教のお坊さんたちは皆殺しにされたか、チベットの山奥でひっそりと生活しているか、未だに牢屋に入れらているかのどちらかと言えます。
「では本物の気功はなくなってしまったのか?」と心配するかと思いますが、大丈夫です。本物の気功は実は日本に運よく輸入されてきたのです。
その前に、なぜ道教のお坊さんの気功が本物なのかを理解して欲しいのでその説明からしていきます。そして日本に本物の気功が伝わるまでの経緯をお話ししていきます。
理不尽な皇帝のおかげで作り上げられた道家の奥義・秘伝功
まず気功には、二つのものがあります。養生功と秘伝功です。養生功は自分の健康のための気功。秘伝功は他人を健康にするための気功です。
古代中国では、北京系の宮殿と瀋陽系の宮殿が二つあり、そこに使える御殿医と呼ばれる人たちがいました。彼らは皇帝や妃殿下の病気を治すように命令されていました。
当時の皇帝の体というものは神聖なものと考えられており、たとえ御殿医であってもその体に触れることはできませんでした。そのため、カーテンや簾越しに治療をしなければならず、もし皇帝の病気を治せなかったら自分の命が危なくなるという、実にありえない状況の中で治療しなければならなかったのです。
そんな厳しい環境の中生き残ってきたお家が、張家という道教のお坊さんのお家だったのです。その時治療に用いられたのが、秘伝功と呼ばれるものであり、昔は「布気治療」と呼ばれていた本物の気功なのです。
実際に皇帝の重い病を何度も治したそうです。そして門外不出の秘伝であり、一族にのみ継承する秘伝だったのです。その後継者である張永祥(日本名:八山元)先生が、私が習った気功の流派の先生なのです。
張先生が瀋陽で開いていた気功治療院は大変繁盛したようで、瀋陽に住む共産党幹部に目をつけられていたそうです。繁盛していた張先生の年収は共産主義に反すると言われるほどの額だったそうです。
このままだと牢獄に入れらてしまうと悟った先生は、香港に接する街へ移り住み、治療を続けることにしました。この時には海外からの治療の依頼も増え、アメリカ、シンガポール、日本などの患者さんから病気を治して欲しいとたくさんの依頼があったようです。
特に、当時衆議院議員で日中友好協会会長を勤めていた宇都宮徳馬先生からの強い依頼があり、田中角栄元首相の治療のために来日して欲しいとのことでした。張先生はアメリカと日本のどちらに行こうか迷っていたそうですが、漢字があるだけ理解できそうだと思い、訪日することになりました。1986年7月16日に、見事に共産党の脅威から逃れ、本物の気功師が日本に来日することになったのです。
気はイメージ、情報のことであり、功はコントロールすることである
気功というのは、生命現象の一つであり、生命であれば誰でもできることです。それは何をやっているのかと言えば、情報伝達なのです。言葉を使わず一瞬で相手に情報を伝えること、それが気功なのです。
特に、道教では星の宗教ですので、宇宙から気をいただいて患者さんにそのエネルギーを送ります。生命の全てを支えているのはこの宇宙の絶妙なパワーであり、天体の見事な位置関係で成り立っています。生命を生かしてくれる宇宙のパワーとつながって施術を行います。ですのでもちろん修行して宇宙のエネルギーを取り出す方法を訓練します。まさにそれが道家の奥義であり秘伝功なのです。
理不尽な皇帝の重い病をたくさん治してきた実績だけが科学的なエビデンスとなっています。
健康になる、大丈夫だ、と確信すれば自然治癒力が上がる
当たり前の話ですが、健康な人は自分が病気だと思っていません。少し体調を崩すと、「あれおかしい、こんなの私らしくない」と言ってすぐに修正をして健康体に戻ります。
病気の人は、診断された病名にリアリティーを持っています。つまり不安や恐怖の感情が心を支配しているのです。この状態では交感神経優位になり、身体は緊張し、血流障害が起きて自然治癒力は上がってきません。
健康な人は健康な自己イメージを持っており、病気の人はそのイメージがないのです。
医師をはじめとした医療従事者で臨床に携わっている方はよくご存知かもしれませんが、治っていく患者さんはどういう人ですか?と聞くとすぐに答えられるはずです。
前向きで、医者任せにせず、自分の意思で治療法を選び、強い気持ちを当然のように持っています。そして穏やかにリラックスしているはずです。必ず健康になるぞ、という自己イメージに臨場感と確信を持っているのです。
以上のことから、健康になる自己イメージに強い臨場感を伴っていると、その自己イメージの通りに身体が出来上がっていくということです。気功はこの自己イメージを作るのにとても効果的な方法であることがわかってきました。
自己イメージを作り上げ自己洗脳していく方法を養生功というのです。これを自分でなく、他人が行う方法が秘伝功であるのです。
気功とは、強力な臨場感を伴った自己イメージで、身体と身体現象を操作する方法だったのです。
気功で行う体の動きはあまり重要ではなく、いかに自己イメージを自分が持って行きたい方向へ臨場感を高めていくのかということがもっとも重要になってきます。
小説のイメージの世界に臨場感が高まっていくと、涙を流すという身体現象が起きます。映画などでビルが爆発するシーンに臨場感を持っていくと、本当に体がドキッとして心拍数が上がります。
人類は、イメージという抽象的な精神空間にリアリティーを感じるようにできているのです。病気の人は、病気のリアリティーが高まって、健康な自分を一時的に忘れてしまっているだけなのです。もう一度思い起こせば必ず自然治癒力が上がり、体調も良くなっていきます。
気功は自分と他人、社会を幸せにするためにある
これまで気について、そして気功について書いてきました。
気の世界はとても奥が深く、どこの国とは言いませんが、政治的なことで、国家レベルで他国を不利な状況に陥れるために気功が悪用されることもあるのです。それほど強力な生命技術といってよいでしょう。
しかし、それは気功でもなんでもありません。ただの暴力行為です。本来の気功は人を貶めたり病気にさせたりするものではありません。健康で幸せで平和な社会の創建のためにある、人類の文化的財産なのです。
人生をより良く生き、人格を向上し、人を幸せに導いてくれるのが本来の気功の姿なのです。どうか気功に興味をお持ちの方は、世界の平和を願いつつ、ご自身の健康に役立てて欲しいと願います。
また気功について解説している動画も一緒にご覧になるとより内容の理解が深まるかと思います。